無垢材を使った一枚板カウンターの話

デザインのアイデア

無垢材を使った一枚板のカウンターの施工例。バーリニアという樹木で、はっきりとした木目と、少し赤みがかった色合いが特徴のアフリカ原産の樹木です。

今回は、無垢材を使用した一枚板カウンターのお話しです。
素材を選ぶ時のポイント、加工や仕上げ、取付方法など、インテリアデザイナーからの意見や考え方を紹介します。

以前パークデザインでデザインさせてもらった「熟成玄米専門店88」
このお店でつくったカウンターをもとにお話ししたいと思います。

無垢材を使った一枚板カウンターの製作事例|熟成玄米専門店88

テーマにあった素材探しのポイント

今回、樹種の選定にあたって条件としたのは
・カウンターに仕上げた時、お店の顔になるもの。
・力強さや迫力があり、ほどよい木の荒さ、素材の醍醐味を感じるもの。
・国際色豊かなテイストが出ているもの。
・玄米を使った食品にあう色合い。

イメージした素材を探し出すのは、本当に難しく、時間と根気が必要になります。
特に私達は、素材への愛情やこだわりが強いので。
お店のデザインにおいて一番のポイントになるようなものだったので、別格でした。


そして最後にたどり着いたのは、大阪の摂津市にある伊藤銘木さん。
何種類か気になるものをピックアップして連絡を入れ、倉庫にある現物を見せてもらいに伺いました。

素材選びにおいて大事な事
最近ではインターネットやカタログの写真など、かなり詳細な部分まで見ることができるようになりました。でも、実物を実際に目で見て、手で触って確認することが、とても大事だと思っています。
私達は可能な限り全ての素材のサンプルを集め、時には自分で素材サンプルを製作したりして、確認してから決定しています。たくさんの関係者の協力のもとで成り立つ作業なので、いつもありがたく感じています。

原木から切り出された無垢材の一枚板。糸を張って反りの状況や、割れ、節や虫食い、水分の含有率などを確認。

今回 実際に使用したものは、西アフリカでとれた「バーリニア(Berlinia)」という樹種です。
30mを超える巨木で、別名レッドゼブラとか、エビアラと呼ばれているもの。荒い肌目が特徴で、木の模様がしっかりと出て、力強い印象を受けました。

無垢材の一枚板を、原木丸太からカットして取り出す方法の説明図

原木の丸太をスライスしたものが一枚板になるのですが、同じ木の部材でも、切った場所によって、木目の雰囲気や節の有無、耳の形状、板幅などが変わってきます。
(耳・ミミ:建築用語で丸太の一番外側の部分の事。この部分をを使った一枚板を耳付きと呼びます。食パンと一緒ですね)

現物を確認する時のポイント

色味や表情の予測
現地で見る木材は乾燥している為、最終的に仕上がったものとは表情が異なります。
ほとんどは仕上げでクリアコーティング(透明色での塗装)を行うので、濡れ色になり、木目がはっきりと出て色が濃くなります。赤みが増すものや、色味が大きく変わるものもあるので注意が必要です。少し濡らして確認するのがおすすめです。


使われている姿をイメージ
その一枚板がどう見えるかを頭の中でイメージします。
イメージするのは「完成した姿」、プラス「実際に使われている時の姿」です。
常時商品を置くのはこのあたりだろう、この辺にはきっと何も置かないので、木の表情がよく見える部分になるだろう、などなど。そういった事も考えながら、木目の模様や流れ、節の有無などを確認し、どうカットして、どこを使うのがベストかをシュミレーションします。

アドバイスをうける
メリットやデメリット、様々な話しを聞きましょう。
取付方法や加工、仕上げ方など、専門家のアドバイスを受けて活かすことが大事です。

加工と仕上げ、製作上の注意点

材料の「とり」を考える
今回選んだ一枚板は、一番端に割れ(亀裂)が入っていました。
あえて「割れ」を残した天板も良いのですが、お店全体のデザインバランスや使い方を考慮した結果、割れの部分はカットすることを選びました。
必要としたサイズは幅900mm × 長さ4000mm。元の板幅は1300mmもあったので、ベストな部分を使い、残りは別の場所で使う事にしました。

加工方法について
無垢材の一枚板は、最初ほとんどの場合「反り」があります。
丸太からカットし、一枚板として使えるようになるまで、数年間かけて乾燥させる必要があり、その際に反りが発生します。
反りをなくして使いやすくする為、表裏をけずって平らにします。厚みは1cmぐらい薄くなります。
天板になる表面やミミの部分の触り心地、見た目の表情など、希望する仕上げ方を、意図するデザインコンセプトと共に職人さんに伝えます。
バーリニアの特徴である、ゴツゴツとした迫力あるミミの表情を残したいので、ひっかからない程度の荒め仕上げを希望しました。滑らかにする時は機械で削れるのですが、今回は表面がいびつで、でこぼこの深さが深いので、手作業になるとの事。手間と時間のかかる作業ですが、その分、味わいのある雰囲気が出ます。

コーティング
今回はウレタン塗装のツヤ消し塗装にしました。
基本的には普段のメンテナンスは必要とせず、汚れや傷にも強いです。
塗装の厚みは、問題ない程度に薄めとし、出来るだけ木の質感を残すことと、肌触りも良くなるようにしました。
他にもワックスやオイル仕上げ、別の種類の塗装などがありますが、「使い方にあった仕様」を選ぶ事が重要です。

搬入と設置
重量は、1mあたり約100kg。今回は4mあるので400kgありました。
搬入の際は、現場に職人さんが多く来ている日を選び、皆さん総出で設置してもらいました。
かなり重いので、天板をのせる足元部分も、その重量に十分耐えれる強度が必要です。
(今回は、土台をスチールで組みました。)
搬入経路などによっては、希望したサイズの天板が運びこめない事があるので注意が必要です。よくあるのは、商業施設でエレベーターに乗らない。通路が曲がれない。人手が足りず、壁に当ててしまう。などなど。事前の確認と現場サイドとの連携が必要です。

店舗デザインにおける、無垢材の一枚板を使ったカウンターをつくるための製作図と説明。

重量のある天板カウンターを支えるスチール製の土台

そして、完成したカウンターがこちら。

完成した一枚板のカウンター|熟成玄米専門店88での製作事例

いかがでしたでしょうか?
普段何気なく見ていたものでも、完成までのストーリーを知ると、また違った見え方になるのではないでしょうか。

次回、「一枚板で製作したベンチの話」へと続きます!

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