さぶろうべい尾山町店

デザインの仕事

古木に彫り込まれた文字が印象的なさぶろうべい尾山町店の板看板

今回 店舗デザインのご協力をさせていただいた
「さぶろうべい尾山町店」がオープンしました。

北陸の金沢 近江町市場のすぐ近く、ホテルやオフィスがたくさんあるエリアです。
近辺には金沢城や兼六園、21世紀美術館、近江町市場や東茶屋街など、金沢を代表する観光地がたくさんあります。
観光の合間や仕事帰りにも、ふらっと立ち寄れる立地です。

今までの「さぶろうべい」のお店は、ファミリーや地元客を主なターゲットとして 郊外に出店されていたのですが、今回は初の都市型店舗。
今までとは少し違った「さぶろうべいらしさ」が必要だと感じて、お店のデザインに取り組みました。

「らしさ」を考える

さぶろうべいは、昭和25年に高橋三郎平さんが「限られた食材を余すことなく使用した料理で、寒さに震える人々を暖かくしたい」という思いをもって、自ら建てた小屋でスタートしたそうです。
こういった「思い」や「ストーリー」を表現することで、新しい「さぶろうべいらしさ」を出せるのではないかと考えました。

・素朴
・優しさ
・飾らない自然美
・温かみを感じる場所
・かえってきたような安心感

デザインする上で考えたキーワードを、形としてお店に散りばめていきました。

さぶろうべい尾山町店の1階の客席風景
厚みのある無垢板が印象的なさぶろうべい尾山町店のカウンター席

1階は、1人づつの専用鍋と、1枚づつ樹種の違うランチョンマット(分厚い無垢板でできたお膳のようなもの)が特徴のカウンター席。
2階は広めのテーブル席があるので、グループでもゆったり過ごせる空間になっています。

六角棒でできた木製手すり
金沢の近江町市場の近くに新規開業した「さぶろうべい尾山町店」の構造材が現しとなった和風の客席空間

仕上げない仕上げ

建築材料は、大きく「下地材」と「仕上げ材」に分かれます。
下地材:壁や天井の裏側など、ふだん目に触れないる部分に用いる材料。
仕上げ材:主に目にする部分に使う材料。
これらは見た目や耐久性によって分けられています。

素朴、飾らない自然美、優しさ、、、
この言葉を表現する方法を模索するうちに
「仕上げ材」を使わずに「仕上げる」という事を考え、最終的には「仕上げない」という考えになりました。

下地材を仕上げに使ったり、普段隠れてもよいものを見せるには、ひと手間もふた手間もかかります。でも、その手間ひまが「手仕事の跡」となり、このお店のデザインになっていく、と思いました。

長いあいだ建築やデザインに関わっていると、知らない間にその業界ならではの固定概念や、ルールに縛られていくような気がします。
今回はそれを、出来るだけリセットするように心がけました。
見せ方、作り方、選び方、たくさんのことを見直すきっかけにもなりました。

設計者のアイデアやこだわり。
工事を担う方たちの、責任感と手仕事感。
お店を運営する方々のたくさんの思い。

そんなさまざまな想いが重なり合ったお店となっています。
ぜひ多くの方に、新しい「さぶろうべいらしさ」を楽しんでもらえたら と思っています。


p.s.
私たちのわがままな要望に、丁寧に応えてくださった関係者の皆様、心より感謝申し上げます。

さぶろうべい尾山町店の古い土壁を利用した客席のあるインテリアデザイン
金沢の近江町市場近くにオープンした「さぶろうべい尾山町店」のファサード|パークデザインのブログ

さぶろうべい 尾山町店
石川県金沢市尾山町5-8
11:00~22:00
(平日 14:30〜17:00は中休みあり)

こちらのページでも、たくさん写真を紹介しています。
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